三技協Optiマガジン第3号
01.PBT手法による、顧客基盤を拡大する方法について
02.[寄稿]三技協はセンサーSierを目指す(3)--農業分野における活用
02. [寄稿]三技協はセンサーSierを目指す(3)--農業分野における活用
対談相手
A:渥美 治(株式会社三技協執行役員フェロー:通信や暗号技術に関する、当社の生き字引・静岡県掛川市出身・そのため来年の大河ドラマ「功名が辻」が気になる日々)
B:中沢 耕一(当社スタッフ:よもやま話の展開の行きがかかりから、参加しないわけには行かず、引き続いて参加。)


◇秘匿と認証の奇妙な関係

◎中沢:
ところで前回は、OTP暗号の内容について取り上げましたが、色々と研究した結果で、何か課題といったものはありますでしょうか?
三技協 秘匿と認証の奇妙な関係
■渥美:
OTP暗号は、1回限りで使われる非数理暗号として、アルゴリズムとは無関係にデータを捨て、統計的な手法が成り立たずに比較できない形で、暗号化したデータをランダムにビットを捨てて、相手に送信します。

そのため、一般的な暗号では暗号化される前の平文を盗まれてしまいますと、残った文章は初期値とアルゴリズムであることから、セキュリティ上非常に怖いことが挙げられます。

その背景にありますのは、アルゴリズム自体が再現性があるために、データを蓄積していると、相似性などの法則を分析され、破られてしまうおそれが強くなります。

ところがOTP暗号の場合ですと、例えば川の流れや煙が、一見同じようでも再び同じ流れの無いように、過去の通信状態から分析しましても、次の暗号は全く相関性のないことから、非線形型のアルゴリズムとして、傍受する側にとっては、破られにくく、仮に暗号化される前の平文をリークされても、暗号のアルゴリズムを予測されにくい点が挙げられます。

◎中沢:
OTP暗号でも、通常の暗号でも乱数によって暗号化をすると思うのですが、計算で予測されにくい乱数を作っていくためには、どのようにしていくのでしょうか?

■渥美:
通常の暗号システムですと、乱数の組み合わせがなだらかな正規分布に近い形になるのですが、そのため規則性が出てしまい予測がしやすくなるため、強度に弱点を抱えやすくなります。
ところがOTP暗号は、限りなく正規分布に近いものの、正規分布ではないデジタル化した乱数を発生させることから、規則性がなくなり予測しにくい暗号体系となっています。

◎中沢:
正規分布のようで正規分布ではない、それでいながら解読されにくくなる乱数ということですと、どのような形で生成していくのでしょうか?

■渥美:
具体的に申しますと、乱数を発生する発生器1つ1つに個性をつけていく、ナノテクノロジーの考え方です。
乱数の発生の仕方は、通常ですと例えばさいころを振って出るような形で乱数を発生させたり、金と鉄を混ぜていくようにランダムに分布させていくのが望ましいのですが、実際にはなだらかな正規分布となる場合がほとんどです。
こうした場合、前に申しましたように予測性が出てしまい、暗号のアルゴリズムが見破られるおそれが強くなってしまいます。
三技協 農作物の疫病予防

これに対してOTP暗号の場合は、例えば発光ダイオードの電圧・電波特性のように、マイナスの電圧・電流を出していきますと、ある時点からカミナリの稲妻のような放電現象が生じていきますが、稲妻に同じものが無いように、仮に正規分布であっても、乱数の特性や出方の異なることから、ランダムな乱数となっていきます。

発光ダイオードといいますと、消費電力の少なさと明るさから、最近では信号機や自動車のテールランプなどに使われることが多いですが、良く見ますと製造ロットや電流の微妙な違いによって、明るさが若干異なるように、正規分布の特性からずらすことによって、破られない暗号となっています。

こうしたずらし方は、意図的に行いますと判明してしまいますが、アルゴリズムには無いずらし方により、解読する側には決して確信の持てない暗号になるといえるでしょう。

◎中沢:
こうした乱数のかけ方によって、盗聴されるおそれといったものは大幅に減少するのでしょうか?

■渥美:
ランダムな乱数のかけ方によって、解読をするためには結局、平文を盗むくらいしか方法がなくなりますので、実質不可能と言えるでしょう。

◎中沢:
こうしたOTP暗号以外にも、解読されない暗号はあるのでしょうか?

■渥美:
他には量子暗号が匹敵します。光子と呼ばれるフォトンが、最後の光子で通行し情報を伝達しますが、終わりのフォトンを盗聴しますと本人が見ることが出来ませんので、盗聴されたことが判明してしまいます。
ただこうした量子暗号は再現性のないことから、ある意味ではOTP暗号と共通していますので、仮に盗聴されても見るものがなく、有効といえるでしょう。

しかし量子暗号はネックが2点ありまして、1つは電子回路が、すべて光回線でなくてはならないことです。現在のようにメタリックの回路ですと、そこからデータが盗まれれば盗聴されてしまいますので、安全性を高めてパソコンなどで使用されるLSIの回路まで、ということになりますと、実質的に軍事や外交といった分野に限られてしまうと思われます。

2点目には、光子そのものゆらぎを使いますことから、用途が無線ではなく有線に限られてしまうことです。ただし、前に申しましたランダムな乱数のかけ方によってゆらぎをかければ、無線でも使えるようになります。



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