三技協Optiマガジン第5号
01.[寄稿]三技協はセンサーSierを目指す(3)--技術開発のエピソード(1)
02.<リリース>SGCの最新ニュース-三技協メディアシステムズの取組み
01.[寄稿]三技協はセンサーSierを目指す(3)--技術開発のエピソード(1)


対談相手
A:渥美 治(株式会社三技協執行役員フェロー:通信や暗号技術に関する、当社の生き字引・このメルマガの対談を経て、色々な課題などを再度認識し、論文を取りまとめる日々。)
B:中沢 耕一(当社スタッフ:よもやま話の展開の行きがかかりから、参加しないわけには行かず、引き続いて参加。)


◎中沢:
ところで、データの暗号化については色々と分かったのですが、本人を証明するIDについては、こうしたOTP暗号や量子暗号を使ったほうが、本人であることが証明されれば、一瞬でデータが消えてしまうと思うのですが、どうでしょうか?

■渥美:
良い質問ですね。確かに暗号化する本文だけでなく、IDやパスワードも瞬間的に乱数をつけて、OTPで暗号化しますと安全性が大幅に高まりますが、今度はユニット全体が暗号機となってしまうために、パソコンや端末の盗難を注意しなくてはなりません。

 

◎中沢:
最近では犯罪の増加からか、なりすましを防ぐためにも静脈認証や指紋認証など、生体によって個人のIDを証明することが増えてきました。こうした個人認証のほうが、実際には安全なのではないでしょうか?

■渥美:
一見しますと生体認証のIDは安全に思われますが、案外安全ではないのです。指紋や静脈認証ですと、例えば指を切られたり同じものを複製されたりして、犯罪の誘因となりやすいことから、あまりお薦めできないのが実情です。
またDNAによる本人認証も、例えば落ちている髪の毛を盗まれたりしますと、比較的容易に複製されてしまいますので、注意が必要でしょう。
サインによる個人認証も、動きやクセ・筆圧などをビデオで録画される懸念もありますし、書いている本人のクセが変わってしまうことも懸念されます。

◎中沢:
結局IDとしては何が優れているのでしょうか?

■渥美:
個人を証明するIDの条件は、理想なのですが以下の6点を全て満たすのが望ましいと言えるでしょう。

1)第三者による盗難ができないこと。
2)他人に貸したくても絶対に貸せないこと。
3)本人が紛失しないこと。または決して内容を忘れないもの。
4)本人が簡単に持ち運びできること。
5)IDやパスワードを変更したい場合には、簡単に変更できること。
6)特殊なハードに依存するのではなく、ソフトウエアで行うもの。

◎中沢
このような個人認証の仕組みや、そもそも絶対にありえないのではないでしょうか?

■渥美
個人認証は、セキュリティにおける入り口で、かつ最も大きな課題ですが、どうも技術で解決できるものではなく、今後100年かかっても、全てを満たす理想はなかなか出てこないと思います。
次善の策として、パスワードと生体認証の組み合わせが、現時点では優れていると思います。

◎中沢:
ただパスワードですと、本人が忘れてしまいますとどうしようもないですし、加えてあまりに簡単なパスワードですと、盗まれてしまいやすくなり、安全性が大幅に低くなると思うのですが、どうでしょうか?

■渥美:
そうしたことは当然ながらありますので、パスワードの内容は、例えば家族以外で決して忘れることの出来ない名前・加えて手帳などにも書いていないけれども、忘れがたいといったことも欠かせないでしょう。

◎中沢:
そもそも、そんな名前などがあり得るのでしょうか?

三技協 センサーネットワークに関する対談
■渥美:
例えば、昔の幼なじみやかつての恩師に始まり、昔の飼い犬や何十年も前にお嫁に行った姉妹、さらには昔の恋人の名前などが対象になるでしょう。
例えばパスワードの入力の際に、常に10人くらいのダミーネームが画面に現れて、うち5回くらいタッチパネルで画面を押していくと、入力する側はあまり苦労しないうえに、確率も10の5乗と高くなりますことから、安全性も高まってきます。

◎中沢:
確かにいろいろと考えますと、パスワードが最も合理的とは思うのですが、「これ入力しといて。」と他人に教えたり、実際にパスワードを使って商品を購入したのに買っていない、と言い張ってしまうと、どうしようもないのではないでしょうか?

■渥美:
パスワードの欠点は、今の質問にありますように、利便性や脅迫などによって他人に教えることが出来る点と、今の質問にもありましたが、事後否認によって実際に使っても、後でシラを切られるおそれが挙げられます。

仮に刑事裁判で裁く場合、「疑わしきは罰せず」原則で犯人にはなりませんが、ただ出所として、本人やその周辺に限られてしまいますことから、抑止力が大幅に高まるでしょう。


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