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前回のコラムはこちらから!! 技術開発室 林田 章吾 師走を迎え、2006年もまもなく終えようとしています。この1年を振り返ると、RFIDの分野に世間の注目や関心が高まり研究段階から実用化の段階へ一歩踏み出した一年ではなかったか?と思います。今回は前回の携帯電話用アンテナに引き続きアンテナ特集ということでRFIDのアンテナ技術を中心に解説していきます。 1)RFIDとは? RFIDは、バーコードに代わる商品の識別や管理などへの活用が期待され、極めて注目の高いトレンド技術の1つで、電磁誘導方式と電波方式に分類できます。 電磁誘導方式のRFIDはパッシブタグと呼ばれ、自ら電波を発することなくタグの役割を果たしています。磁界を積極的に利用するため、水やほこりなどの影響を受けにくく、人体からの影響も受けにくいという特徴があります。しかしながら、通信距離は数cmと短く、通信させるためにはタグを直接ターミナルに近づける必要があります。最たる例としては、電子マネーに代表される Felica が挙げられます。 さらに電波方式のRFIDはアクティブタグと呼ばれ、自ら電波を出すことにより数mの通信が可能です。通信距離が伸び自由度が大きくなる反面、金属や水の影響を受けやすく、他の無線機器からの電波干渉も受けやすいといった課題があります。 その他には、総務省がRFID用に開放した周波数帯以外に、微弱無線の帯域である 300 MHz 帯のタグにも関心が集まっています。総務省の技術適合審査が不要なことから、実用化が期待されています。 2)RFタグの利点 RFタグの大きな利点と致しましては、以下の点が挙げられます。 1. 接触せずにデータ書き換えができるため、入退場管理やID管理に適用できます。(非接触による通信方式) → 電力の供給やデータの送受信のために、接触する必要がありません。 2. 泥などの汚れに強いうえ、カバンや定期入れなどの遮蔽物があっても、ある程度交信ができるので実用性が高い。(透過性) → 中波帯または短波帯を用いた場合、 金属以外の箱やケースであれば、ほとんど影響を受けずにデータの読み書きができることから、例えば、樹脂ケースにタグを入れ食器の裏に添付して社員食堂の精算や、制服のクリーニング管理など、ハードな運用にも適用できます。 3. 同時に複数のタグからの読み取りができます。(アンチコリジョン) 例えば、在庫の棚卸しやレジでの精算のように、複数のRFタグを一括に読み取ってスピーディにデータを読み書きできます。ただし、 単純にUID(Unique ID)だけを返信するRFタグでは、機能を簡素化するためにアンチコリジョン機能を持たないものもあります。 3) RFID用アンテナの主な課題 RFIDはその用途から携帯性を強く求められており、RFID用アンテナの最たる課題としてはアンテナの小形化・薄型化が挙げられます。 例えば、先に紹介した微弱無線の300 MHz 帯のアンテナを考えると、その波長は1波長で約1mとなります。1 / 4波長で動作するモノポールアンテナを考えた場合、そのアンテナ長は25 cm となり、タグに実装した場合は出っ張りが生じてしまいます。いくらアンテナの特性が良くても携帯性が悪くなってしまえば実用化できません。RFID用のアンテナではアンテナの大きさと特性のトレードオフでアンテナ性能を割り出す必要があります。
アンテナの小形化手法としては、アンテナの形状を考慮することに加えて、誘電体を用いることが一般的です。高誘電体を用いることにより、アンテナの電気長を短くでき、小形化できることから、今までアンテナとは無関係だった材料メーカなどがアンテナ開発に取り組んでいます 。
また三技協では小形化・薄型化が可能な無給電素子を用いた磁界励新型のアンテナを研究開発していますが、人体及び金属物に対する特性変化等、検討課題があり、研究をすすめています。 4) 三技協の取り組みについて RFIDは利便性の高い技術であり、電磁誘導方式は実用化への取り組みが盛んになっています。ところが電波方式では上述したアンテナの課題等が残されていて、まだまだ検討が必要です。 三技協は、長年にわたる電界強度測定の技術をもとに、小型軽量なセンサーネットワークの構築や開発を進め、上記のようなRFIDのアンテナと基板など相互に関連する技術に関して、様々なノウハウを有しています。今後も、電波の最適化を目標に、お客様に最適なソリューションをご提供していきます。
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